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人材活用に助成金

コロナがあけたものの企業を取り巻く環境は厳しくなっています。いわゆるコロナ融資の借換えも2024年6月末で終了予定です。

そうなると、企業も生き残りをかけて新規事業への取組み、DX(デジタルトランスフォーメーション)化への取組みによる生産性アップ等に取り組まざるをえなくなっています。

こうした取組みに活用できるのが人材開発支援助成金です。

様々なコースがありますが、経費助成率最大75%、賃金助成が最大960円(1人1時間あたり)と国も気合を入れています。

大企業は研修予算もあり研修も体系化されていて取り組んでいます。

他方、中小企業は予算も研修担当も態勢が整っていない。ましてや、社員に研修させている暇はないと考えがちです。

しかし、求めるゴール(目的)・成果指標を設定して計画だてていければ、これほど使い手のある支援措置(助成金)はないかもしれません。

経営者保証の見直しの動き

融資先に経営者保証を求めない動きが広がっているとの報道があります。いよいよ広がってきたかと期待を持ってよく見ると、日本経済新聞の当該記事(23年5月9日)によれば、14行が該当します。第一地銀63行、第二地銀37行、合計100行のうちのわずか14行です。

1 金融庁がしびれをきらしている?

記事内容も中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルールとしての「経営者保証のガイドライン」(一般社団法人 全国銀行協会、日本商工会議所の各ホームページに記載あり)と何ら変わりはなく、それへの各行の対応はいたって妥当な動きです。

しかも新規融資についての話で合って、既存融資につけられている経営者保証が外れる事例の紹介ではありません。

なかなか成長性評価が進展していかないこと等に金融庁がしびれをきらして書かせた記事ではないかなどと邪推してしまいそうになります。

2 体験者からのお声

NHKのドラマにもなったダイヤ精機株式会社の諏訪社長のお声を紹介します。これは諏訪さんが過日発信した内容です(その一部を抜粋します)。

「中小企業の経営者になると決断するという事は、出口のないワンウェイを突き進むしかないという事。もう後戻りは出来ないと言うプレッシャーがのしかかる。それは、先代の借り入れに対して連帯保証をしなくてはならないからでした。何故?

それは、おかしな話である。

私は父の財産を放棄し、株と同時に借り入れを買取る形になった

企業と個人は別であると考えてきた私には、到底納得のいかないものです。結局、この件で2年に及びメインバンクと交渉をしました。

何故なら、連帯保証は足枷にしかならないからです。足枷があると守りに入ります。経営は守りに入ったら企業は成長できません。

何故、借り入れをする際に連帯保証と言う個人の人生を捧げるようなことをしなければならないのか?何故事業性評価をしてくれないのだろうか?何故?が沢山ありました。

そして、この19年色々な経営者を見て来ました。

廃業をすると、自己破産をする経営者が未だに多くいます。

今まで、社会に貢献してきたにも関わらず、最低レベルの生活しか出来ず、クレカさえ数年作ることが出来ません。何故、中小企業の経営者はそんな罰のような事を受けなければならないのか? 貸す側にも責任はあるはずなのに?」

3 まだあるおかしなこと(経営者保証の見直しの穴)

 諏訪さんのご尽力等もあり、経営者保証の見直しが緒についたのですが、廃業等にあたってはまだおかしなことが残っています。

 直近の私のコンサル事例を通じて、経営者保証の見直しの穴に気が付きました。

まず改めて言うまでもなく経営者保証のガイドラインの3要件が厳しすぎる点です。

3要件とは、①法人と代表者個人の資産等の分離、②法人のみの資産や収益力で返済が可能、➂適時適切に財務情報が開示

 業況の悪い時に上記①、②を満たせる企業はあるのでしょうか?企業経営がずっと右肩上がりでない限りは机上通りにはいかないです。

つぎにこの3要件を満たしたとしても、融資を返済の時に、保証履行後も保証人の手元に残る資産等の定義が厳しすぎて足枷になるということです。

保証履行後も保証人の手元に残る資産等として、「金融機関は、「華美でない自宅」について、経営者の収入に見合った分割弁済をする等により、経営者が自宅に住み続けられるよう検討」とガイドラインにはあります。

それなりに資産価値があると華美でないとはみなしてもらえないでしょうし、今後静かに増えそうな廃業をするような場合に、経営者の収入は多くをあてにできません。しかも、経営者の自宅に根抵当権がついている場合のことはガイドラインに記載されていないのです。

  健全にチャレンジングな社会、起業家精神旺盛な社会に変えていくというのであれば、一段と踏み込んだ内容に改定されていくことを期待している次第です。

廃業動向とM&A

●倒産の減少

帝国データバンクの調べによりますと、2021年7月の倒産件数(490件、前年同月比42.1%減)は、2カ月連続で前年同月を下回り、7月としては2000年以降最少となっています。

理由は明白です。総じていえば、資金支援により’延命‘できているとみて間違いないでしょう。つまり、手元資金が何とか足りている状況ということです。

雇用維持に寄与する「雇用調整助成金」について、特例措置の期限延長を経て、20年3月から21年7月までの支給決定額は累計4兆円を超えています(雇用保険料の財源が底をつき、22年に保険料率引上げの検討が始まりました。中小企業経営者に取って増税に等しいようなもので頭の痛い問題になりそうです)。

そして実質無利子・無担保の特別融資(いわゆるゼロゼロ融資)をはじめ、借入金の返済条件の緩和対応、各種補助金・支援金などの資金繰り支援が目白押しの1年余でした。

●廃業が高水準、業種によっては増加

 同じく帝国データバンクの別調査によると廃業が高水準、旅行業等一部業種では増加に転じています。旅行業はコロナの影響をもろに受けていますが、中小企業経営者の年齢が年々1歳上昇しているような中では、とくに小規模事業においては、廃業がより注目されるような状況になるのではないかと考えています。

●後継者の問題は単純ではない

 親族が社内におらず役員にも適当な後継人材がいないという企業は少なくありません。トップを継承できる役員を育ててこなかったからともいえます。

 他方、親族が社内にいて事実上の後継者として実務を仕切っている場合でも、その後継者が苦労している場合が多いです。顧問先の中の3社(エステ、アパレル、薬局)の例をみていてそう思います。

 この3社、共通しているのは先代が事実上退き子息が後を継いでいます。先代は会長職のような立場でいます。子息の方々は先代より学が高く、経営管理能力は先代より高いです。

その一方で、構想力と営業力、そして決断力が弱いように感じています。

 経営維持に困難を極める時代ですので一面的な評価は慎まないとなりませんが、数値能力が高いのにゼロリスクにとらわれ、将来を見越しての事業投資判断が遅れる傾向がみられます。コロナがいつあけるかわからない不透明な中では、じわじわと経営体力を弱めてしまいかねません。

●廃業支援予備軍の増加と廃業支援

 例にあげた3社がすぐに廃業に向かうわけではありませんが、私の中の最悪のリスクシナリオとしては廃業予備軍になるかどうかの境目とみています。

 最近、廃業支援のコンサルタントも少しずつ増えています。私の周りにもいます。(連帯保証している)借金があるからやめられないという悩みを持った経営者、従業員を路頭に迷わすわけにはいかないという悩みを持った経営者、取引先に迷惑をかけるからやめられないという悩みを持った経営者等を支援しています。

 会社及び経営者の未来を奪うのでなく未来を与えるように支援するのが廃業支援の在り方と考えますが、そう考えた時に第三者承継がいわゆる出口戦略として注目されています。

 一般のサラリーマン・OLさんで預貯金をためている方や事業を売却して手元資金を保有している方、あるいは士業等の専門家等が、ゼロスタート(まったく何もない状態から創業すること)よりも価値があるとしてイチスタートを行う動きが広がりつつあります。すでにある事業を買収して、取引先やノウハウ・技術を継承するものです。

 廃業しようとしている会社を数百万円出して買収して経営している友人・知人が何人もいますから絵空事ではないです。

 実際にはこうしたM&Aで出口をつくれる廃業予備軍の会社は5%くらいしかないと言われていますが当該会社にとっても日本経済全体にとっても有用な出口戦略の一つと言えます。

【事業再構築補助金第1回申請してみて】

お客様(会社経営者)が実際に電子申請するのに同席しましたが、経産省さんもう少し何とかしてよと思いました!!

電子申請に3時間かかりました。
事前に電子申請項目やアップロードする資料を準備しておいてもこれだけかかる。

この経営者さんはITリテラシー(ITを理解する能力・操作する能力)が高い方です。

それでも準備を含めて5時間もかかるということは、入力システムに問題なしと
しないと個人的には思います。

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どんなところに手間取ったのか?
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・漢字を半角で入力したらエラー
・年号を21年としたらエラー
2021年としたらOK
・申請が月をまたぐ場合、次の月になると自動的に対象期間が置き換わる
・計画数値の入力は円単位だった
・補助額が対象事業費*2/3で自動計算されるわけではない

あれー何でエラーなんだろうと入力する者に考えさせるシステムはいかがなもの
でしょう。

公募要領の発表から申請システムの公開まで時間がかかったところをみると、
大急ぎで作られたものと推察されます。

第2回以降は、入力欄の脚注に記して頂くなりしていただけることを願って
おります。


(PS)
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副業解禁が金融界にも広がる

みずほ銀行の取組み

 みずほ銀行が副業を解禁したのが2019年、それを利用して社内副業を経験した人間が累計120人、社外副業を経験した人が累計120人と報じられている。

 同行は20年秋には週休3日~4日制の導入も発表しており、まさか銀行が副業を認めるとはと思っていた向きに対して、その取組意思に本気が感じられる。

東京海上日動火災保険の取組み

 東京海上日動火災保険が21年1月から、全社員約1万7千人を対象に副業の推奨を始めたと報道されている(キョードー)。異業種で経験を積むことで社員の能力を伸ばしたり、働き方を柔軟にして企業としての魅力を高めたりする狙いがあるそうだ。

 東京海上はこれまでも副業を容認していたが、本社の人事部門の承認を必要とするなど条件が厳しく、活用する社員は年間数名にとどまっていた。今後は他社での勤務時間が基準以下であれば、支店や部署といった現場の裁量で許可できるようになるとのことで、加速させている。

異業種で経験 を積みさえすれば能力が高まるというものではないが 、副業を会社が認める意義は大きい。金融業界の人間が異業種にその能力を還元してくれることを期待したい。

金融業界の人材に揺らぎ

金融業界は少し前までは採用に困らない業界、若手退職の少ない業界でした。
ところが、いま人材に揺らぎが生じています。


金融機関によっては、学生の就職活動で人気が低下し、採用枠に足りないような推移をたどっている金融機関もあります。 また若手社員の退職も増えているそうです。


なぜこうなったのでしょうか? 一言でいえば将来に対する不安です。
AI(人工知能)により業務が置き換えられる可能性、店舗統廃合及び人員削減、低金利下での運用難等 ニュースに取り上げられるのはネガティブな情報が増えました。


金融庁の指導もあって、企業との関係にも変化がみられます。 事業性を評価して融資し、その後も様々サポートの体制を取ろうとする姿勢です。


しかし、人材が揺らぎ、現場力が落ちているので、コンサルティングで企業を支えるというのが 心もとない方向でもあります。問題・課題の抽出、解決策の提示ができるコンサル能力の高い人は コンサル会社に転職してしまう可能性があります。


企業の側も金融機関におんぶにだっこではなく、ますます自力成長の方向にいかないといけません。

人材育成助成金の位置づけが変更に

厚労省キャリアップ助成金のうちの人材育成助成金が人材開発助成金(旧キャリア形成助成金)に、18年4月1日付で統合されました。
人材教育に関する助成金の窓口を一本化しようとするものですが、そのことにより、従来の窓口(ハローワーク)から各労働局へと窓口も移管される可能性がありそうです。助成の内容については変更がありません。

強い財務体質をつくれば成長資金はこの先も確保できる

少子高齢化という構造的な要因を抱える日本。
株価などその時々の景気に左右されることなく、オリンピック後にも備えて、いまから勝ち残りの戦略・方策を打っていかないとなりません。

その際に重要な成功要因の一つはいかに「強い財務体質をつくる」かにあります。
それには、人材を確保し、営業や製造開発の人たちも含む社員全員が財務を使える人材へと育成することも並行して求められます。
人材確保や人材育成にも投資としての資金力が必要になっています。

人と資金、実は両立させられます。

弊社では2か月、6か月、1年、1年6か月などの節目節目で劇的に資金力がつくしくみを用意し、クライアント様にお伝えしています。

働き方改革について思うこと

働き方改革は今更の感もなくもないですが、残業規制がいまほどでなく緩かった頃、
終電に間に合うかどうかや三時のおやつ(午後三時でなく朝の三時)を食べるのを競った頃も
少し経験している私からすれば大いに評価しています。
その担当大臣が昔からよく知る茂木大臣というのも何かの縁かもしれません。

一方で、ただでさえ労働力の需給がタイトでミスマッチもある中、人材の確保がむずかしく
なっている現場の負担感は、働き方改革の運営の仕方によっては一層きびしいことになりかねません。

それを補うのにAIだロボットだということですが、人材リカレント(再教育)も伴わないと、
人的資源の劣化により、膨大な含み損を抱えることにならないか、会社も社員も正念場ではないでしょうか。